トインビー随想

トインビー博士について様々な話題を語ります

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

現代において高等宗教に求められる条件・・・・山本新先生の記述より(月刊世界政経1976年1月号「トインビーの歴史的宗教観」―文明興亡の鍵を宗教に求める巨人の最終史観)

山本新先生の記述(月刊世界政経1976年1月号「トインビーの歴史的宗教観」―文明興亡の鍵を宗教に求める巨人の最終史観―)を引用する。 ① 他の宗教を邪教のように悪しざまにののしってでなければ、自分の宗教の正しさが証明できないと思い込んでいる排他性、…

「人間事象に基本活動があるか」 .……宗教こそ基本的活動 再考察23巻

歴史の研究、再考察23巻の補論の冒頭で、トインビー博士は「人間事象に基本的活動があるか」という題で短い論考を行っています。この論考では、人間の振るまいを記録する歴史の中で、旧石器時代の記録では、出土する痕跡がほとんど「道具」であることから、…

「西欧文明は世界国家の段階にあるのか?」・引用「西欧の歴史と前途」歴史の研究再考察 P967

" data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">〔城川コメント:この部分のトインビー博士の記述は、最終的にはトインビー博士の文明を単位としてみてきた世界史にとって、決定的で重要な視点の転換になっています。まず第一に現在、地球全体を覆…

トインビー博士の文明の定義 再考察p508~p512

この近代西欧の言葉は混成語である。それはラテン語の形容詞の語幹〔civil〕とフランス語の動詞接尾語〔1ze〕とラテン語の抽象名詞語尾〔tion〕―― 静的な状態ではなくて以前として進行中の過程を示す語尾――から成り立っている。この言葉を文字通りに解釈する…

感想 『ヘレニズム』(城川)

感想 『ヘレニズム』(城川) 「ヘレニズム」を再度読了する。トインビー博士のこの書物は、ホーム・ユニバーシティ叢書の一冊として、岳父ギルバート=マレーの推薦によって、トインビー博士が1914年以前に執筆に取りかかったものであるが、途中二つの…