トインビー随想

トインビー博士について様々な話題を語ります

2021-01-01から1年間の記事一覧

日本人と戦争・・トインビー史観からみて

「日本人と戦争」という題を挙げて、トインビー博士の歴史叙述を検討してみたいと思います。この「日本人と戦争」というテーマをとりあげた理由は、このテーマについて書かれた記述の中に、トインビー博士の歴史観と歴史記述を理解する上で大事なポイントが…

「トインビー」② マクニールの「21世紀への対話」に関する言及

トインビー博士に関する話を,「21世紀への対話」に関する話題から始めましたので、ここではさらに関連する内容に入って検討してみたいと思います。 トインビ―博士と池田先生との対談が行われたのは、1972年と1973年です。トインビー博士の生涯をたどってみる…

「トインビー」 ①はじめに 2021/3/17

2021年3月16日、創価学園では51期生の卒業式が厳然とおこなわれました。創立者池田先生からは、祝福の和歌「宇宙大 無限の力を 君 持てり 信じ託さむ 勝ち切る 勇気を」とともにメッセージを頂きました。その中で池田先生は、「一人一人に勝利の月…

実在との一体化 体験

トインビー博士の “実在との一体化” 体験 *J・フォークト「世界史の課題」における言及 *1895年ドイツ生まれ チューリンゲンおよびベルリン大学でエドアート・マイヤーに学ぶ 執筆当時チューリンゲン大教授 p221 第10巻(英語版)の自伝的な部分で、時…

トインビー史観とは何か

[evernote:f6691ba532fbfb46240e8d1626e25e86 アップロード中] トインビー史観とは何か トインビー史観とは、20世紀最高の歴史家と呼ばれるイギリス生まれのA.J.トインビー博士の歴史観である。21世紀に入っても未だに評価が定まらず、特に〝専門的歴史家…

トインビー博士がなし遂げたもの

トインビー博士のなし遂げたもの戦争に対する絶対反対の強い姿勢が生涯の学問研究の根本的動機通奏低音のように、繰り返し繰り返し生涯にわたって著作の中にあらわれてくるパブリックスクール ウィンチェスター校での経験より強く影響を受けているもの友人を…

クリストファー・ドーソンのトインビー批判

クリストファー・ドーソンは1889年10月12日、イギリスに生まれ、ウィンチェスター校・オックスフォード大学と、1889年4月14日生まれのトインビー博士とは、同年の生まれであるばかりでなく学歴も共通しています。もっともトインビー博士は、ウインチェスター…

“トインビーと創価学会”・・・マクニール著「TOYNBEE」より

トインビーの視点からみて、創価学会はまさに、歴史的な時期としての(現在)に対する彼の洞察の中で期待していたものであった。それは新しい教会(→世界教会)であり、キリスト教の後の世界の周辺に立ち上がり、主に内的プロレタリアート(→社会構造の中に…

トインビー博士にとっての戦争 回想禄Ⅰより

トインビー博士にとっての戦争とは、単なる歴史的な事件事象のレベルを超えて、その廃止を心の底から決意することによって、トインビー博士の生涯の転機と学問上の進化・変化を動機づける本当に重要な契機になっていると思います。その内容を回想禄1の中から…

トインビー博士の最初の著作 

本日、国立国会図書館の抽選当選日。この日に合わせて国会図書館の関西館から取り寄せてもらったトインビー博士の1910年代から1920年代の著作を閲覧しました。最初の著作は、トインビー博士の最初の著作で、1915年に刊行された「 Nationality & the war」で…

2021年第一回本部幹部会への池田先生のメッセージとトインビー史観

2021年の第一回本部幹部会への池田先生のメッセージをここに採録します。「トインビー随想」の中で取り上げさせていただく理由は、その内容がトインビー博士が生涯をかけて論じ残してきた内容とみごとに一致すると考えるからです。以下のメッセージの中で、…

トインビー史観を貫くもの

トインビー博士の歴史観というと、即座に「文明」中心もしくは「高等宗教」中心の歴史観という答えが返ってきます。「20世紀最大の歴史家」と高く評価する声がある一方、専門家を自任する歴史学者の中からは、「アマチュア歴史家」「文明の墓掘り人」等、き…